箏の調弦について

きょう

2005年12月08日 23:00

今度の土曜日に琉球舞踊の発表会があって、そこで箏を弾いてきます。

地謡(踊りの伴奏)ではないです。私にはまだまだできません。
「座開き」といって、幕が開いたオープニングで、三線と箏で演奏するのです。

曲目は「かぎやで風」「ごえん節」「辺野喜節」「揚作田」の4曲。


…書いていまさら思ったけど、琉球古典の曲名って、書く文字と読み方と違うんで、
いつも読んでいるとおりに書くと、変換されないんだな。(あたりまえだ)
ちょっとだけ面倒だぞ。

<文字>     <読み>
かぎやで風 → かぢやでぃふー
ごえん節  → ぐいんぶし
辺野喜節  → びぬちぶし
揚作田   → あげちくてん      …こんな感じ。

いつも呼んでいるように「ぐいんぶし」とか書いて、「あ、いけない」と修正するという…。



えー、以上の4曲を幕開け一気に演奏するわけです。

「かぎやで風」「ごえん節」「辺野喜節」の3曲は、幕開けの定番曲でよく演奏されます。
私も舞台で演奏するのは初めてではないから、これはなんとかなるだろう。

問題は「揚作田」。

この曲は、人のはよく聞いていたけど、自分で演奏するのは初。
テンポのいい曲でとても楽しい。でも稽古の最初のうちは、手がなかなかついていかなくて…。
さすがに、本番直前の今は、通常テンポで弾けるようになっております。

1つ心配なのは、「揚作田」の前で調弦を変えないといけないこと。
三線の場合は、4曲すべて本調子で調弦は一緒なんですが (合ってますよね??)、
箏は、「かぎやで風」「ごえん節」「辺野喜節」は、本調子、
「揚作田」は、本調子から3つの弦の音程をあげなければなりません。
四、六、九の弦を柱(じ)を右にずらして、音を上げないといけないのです。

※柱(じ)というのは、弦を支えているプラスチックの駒です。箏はこれで音の高低を作ります。


前の曲が終わり、「揚作田」の演奏が始まるわずかの間に、3弦も??
調べたら、前の3曲は四の弦を弾かないので、最初から四は上げておける。
曲の間に柱をずらすのは、2つでよいことが分かりました。

当日は柱をずらす位置にチョークで印をつけるから大丈夫、といっても、
焦って柱を倒したりしないか心配だ…。
こないだ人の箏の演奏会に行った時にそういうシーンを見たなぁ…。


こういうふうに、数曲連続して演奏するときに途中で調弦を変えることは、よくあるそうです。

舞踊で演奏する曲は、舞踊1演目につき3曲くらいがセットになっているんですが、
結構調弦がバラバラのがセットになっているものが多いみたい。
セットは、舞踊に相応しい曲をチョイスしていて、あくまでも舞踊メインで考えられているため、
演奏者の都合なんて知ったこっちゃない。調弦を変えるのが大変、とかは関係ないのです。


「これから曲の途中で調弦変えるのは沢山経験していくんだから、
今回ちゃんと勉強しなさいね~」 だそうですので、
今晩あたりシミュレーション練習したいと思います。。



調弦で思い出したけど、こういう話もあります。

三線など他の楽器と合奏するとき、調弦の音階の高低は三線の人に従います。
三線の人が歌いやすい音階に従うわけです。
例えば、三線の先生が「今日は咽喉の調子が良くないから、ちょっと下げましょうね~」と、
弦を緩めはじめたら、箏は13本の弦全部、柱をずらして音を下げていくことになります。

私の箏の先生は、ある舞台で本番直前にそれをやられたことがあるらしく、
「ひー!!」とパニック起こしそうになりながら、調弦したらしいです…。
「あの時はもう必死だったね~」と笑っておりましたが、笑いごとでないですよ…。

三線演奏者の方は、箏のことについて、
せめて調弦の面倒さだけはご承知いただければと思います。 ゆたしく~
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