「琴でブルースのように歌う」という紹介文と、この写真に一発でやられた私。
「これはカッコいいぞ!私が求めていたものかもしれん!」
HMVで2枚CDを見つけて、…ちょっと悩んでから購入。
試聴せずにCDを買うことは滅多にないもんで。
一枚は絶版と聞いていたから、これを逃すともうお目にかかれない、と購入を決心した。
聴いてみた。 …??? なにこれ…? これ本当に歌なの?
最初の感想は「おっさんが、がなっている」
歌は音程もめちゃくちゃ、歌詞も何言ってるか分からない、
ひたすら、おじさんが声を縛りだして何かを叫んでるだけ のように聞こえた。
竪琴の音は、がなり声の後ろで「ボロロン、ボロロン」と、歌の調子を取るために鳴っている。
メロディーを奏でるものではない。
ことごとく自分が想像していたものとは違っていた。
どちらかというと、がっかりという気持ちだった。 買い物失敗したなあ。
もうちょっと曲としてまとまっているものを期待していたのだ。
結局そのCDは2度と聴かぬまま放置され、しばらくして他の不用品とともに
ネットオークションで売ってしまった。 中古のわりに結構値がついた。
それから数年後の先日、テレビ欄で里国隆という文字を見つけ、
「もう一回聴いてみようかな、あの時と自分の受け止める印象が変わるかもしれん」と
録画してみた。
番組は、里国隆のことばかりでなく、活躍していた当時の沖縄の情勢についての
ドキュメンタリーを絡ませており、放映時間が長いこともあって(2時間半)
全体的に冗長な印象を受けた。 里国隆のところ以外は早送りしてしまった。
時間に余裕がないときに見るのはきつい感じだ。
飛ばし飛ばし見たので、番組全体の面白みをよく理解できなかったかもしれない。
ただ、里国隆の歌声、竪琴の音がしばらく耳について離れなかった。
良い悪い、好き嫌いの区別をする前に、もう頭にこびりついてしまった。
国隆が別格の唄者といわれるのは、こういうところにあるのかな、と思った。
録画した番組をDVDに焼いて保管した。 またしばらくしたら聴いてみよう。