奄美のブルースマン里国隆

きょう

2006年02月14日 10:01



先日NHKハイビジョンで里国隆(さと くにたか)の特集をやってた。

里国隆は1918年、奄美大島生まれの盲目の唄者。
竪琴という奄美独特の楽器を、路上で弾きながら行商していたところ、音楽関係者に注目され、
演奏活動をするようになった。

プロフィールこちらが詳しいみたい↓
http://www15.plala.or.jp/i-con/sato/



私は数年前とある純邦楽のイベントでこの方を知った。

「琴でブルースのように歌う」という紹介文と、この写真に一発でやられた私。
「これはカッコいいぞ!私が求めていたものかもしれん!」

HMVで2枚CDを見つけて、…ちょっと悩んでから購入。
試聴せずにCDを買うことは滅多にないもんで。
一枚は絶版と聞いていたから、これを逃すともうお目にかかれない、と購入を決心した。


聴いてみた。   …??? なにこれ…? これ本当に歌なの?

最初の感想は「おっさんが、がなっている」

歌は音程もめちゃくちゃ、歌詞も何言ってるか分からない、
ひたすら、おじさんが声を縛りだして何かを叫んでるだけ   のように聞こえた。

竪琴の音は、がなり声の後ろで「ボロロン、ボロロン」と、歌の調子を取るために鳴っている。
メロディーを奏でるものではない。


ことごとく自分が想像していたものとは違っていた。
どちらかというと、がっかりという気持ちだった。 買い物失敗したなあ。
もうちょっと曲としてまとまっているものを期待していたのだ。

結局そのCDは2度と聴かぬまま放置され、しばらくして他の不用品とともに
ネットオークションで売ってしまった。 中古のわりに結構値がついた。



それから数年後の先日、テレビ欄で里国隆という文字を見つけ、
「もう一回聴いてみようかな、あの時と自分の受け止める印象が変わるかもしれん」と
録画してみた。


番組は、里国隆のことばかりでなく、活躍していた当時の沖縄の情勢についての
ドキュメンタリーを絡ませており、放映時間が長いこともあって(2時間半)
全体的に冗長な印象を受けた。 里国隆のところ以外は早送りしてしまった。
時間に余裕がないときに見るのはきつい感じだ。

飛ばし飛ばし見たので、番組全体の面白みをよく理解できなかったかもしれない。

ただ、里国隆の歌声、竪琴の音がしばらく耳について離れなかった。

良い悪い、好き嫌いの区別をする前に、もう頭にこびりついてしまった。

国隆が別格の唄者といわれるのは、こういうところにあるのかな、と思った。


録画した番組をDVDに焼いて保管した。 またしばらくしたら聴いてみよう。
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