2006年02月27日

ドキュメンタリー「美ら風」

ドキュメンタリー「美ら風」
先の金曜日、「美ら風の唄と踊り」と題した公演に出演してまいりました。
中野サンプラザという、学生の頃から憧れの舞台に乗れる、ということで、大変楽しみだったのですが…
当日の舞台裏はバタバタで、楽しむどころではありませんでした。。
まあ、いつものことだけど。
そんなわけで、いつものようにドキュメンタリー風に淡々とお送りします…

【3:00】

なんだか寝付けず目が覚めてしまい、テレビでフィギュアを見てしまう。
荒川選手の演技に号泣。 やっぱプッチーニはツボるわ…


【8:30】

教室に集合。姉弟子の車に箏を積み込み、会場に向けて発進。車の中で爆睡。


【10:00】

会場到着。リハーサル室に箏を運び込む。
もうリハは進んでおり、爪を取り出す間もないまま自分の出番が始まる。 仕方なく指で弾く。


【14:00】

リハやら会場セッティングやらで弁当を食べる暇もなく、いつの間にやら開場30分前。
大慌てで衣装(着物)に着替え。 ヘアセット5分、メイク3分、着付け10分(帯は人にやってもらう)。
場数を踏んで、早替えも慣れてきたなぁ。

舞台から客席を眺める。 会場の天井に小さなライトが散りばめられ、プラネタリウムのよう。
こんなきれいなところで演奏できるのか…。 少しだけ実感が湧いてうれしい。


【15:00】

開演時間はまもなく。
幕開けは、大勢が一斉に舞台にあがるので大抵セッティングに時間がかかるものだが、
当初予定していたように人が配置できないことが直前で判明、大混乱…

私たちの公演終了後、第二部としてプロの歌手の公演があったのだが、
この舞台セッティングが既に完了しており、舞台の前方半分しか使えなくなってしまったのだ。
裏方責任者と現場責任者で、その連絡がうまくいってなかったようで、
本番間際で、人の配置を微妙に調整せざるをえなかったのだ。

また箏の配置にいたっては、リハの時に並び順の確認ができておらず、
その確認に余計時間がかかってしまった。

舞台裏の全員がワサワサ~とした心持ちのまま、幕が上がる。
その雰囲気のせいで緊張に焦りが増幅して、ワケの分からぬまま演奏が終わってしまった…


【15:30】

幕開けに続いて、すぐに「秋の踊り」のジカタ。
どの箏を使うのか分からず、舞台と袖を行ったり来たり…。(楽器は演奏者が出し入れする)
こういうのは、やっぱり事前にしっかり決めなきゃダメだ。。
リハで「大まか」に決めるけど、リハ中は慌しくて「こうします」とバッチリ決めきれぬままだった。
臨機応変も結構だけど、慣れない舞台では危険だ…

この演目も開始直前までバタバタ…
しかしこの回は、それが功を奏して緊張を感じずに乗り切ることができちゃった。。
初ジカタは成功と言ってしまおう!


【15:40】

初ジカタの次は、箏のみで「瓦屋の踊り」、舞踊あり。 私は出番3連続…
これも人の並びで時間がかかる。

今回の公演は、司会に沖縄芝居の役者さんを本場から呼んだのだが、
2人のうちなーぐちの掛け合いが面白く、何とか幕間をつないでくれた。

演奏は…、どうだったんだろう??
三線の人がおらず、箏が唄もやったんだけど、やっぱりつらい。。歌うのも、聞くのも。
うち先生の前にマイクがあり、先生は唄も歌える方なので、そんなに変ではなかったと思うけど、
ほとんどの人が歌い慣れていないから、全体的には弱かったと思うなぁ。


【16:30頃?】

次の出番は、器楽合奏(渡りざう、瀧落、鶴亀節)。
それまでに、箏の調弦を合わせておかねばならない、4つも。
出番のない時は、舞台を覗けるかと思ったけど、全く暇がない。

さて、前の演目が終わり舞台へ箏を運ぶ…  あーまただ!
当初の予定のように人が並べない。 狭い舞台のスペースに人が並びきらない。
箏7台、折り重なるように配置する。
「時間おしてます!」の声に、落ち着く間もなく幕があがってしまった。

またもや緊張する間もなく演奏が進む…
…なんか変。 演奏が何重にもなって聞こえる…??
三線、太鼓、箏、みんなバラバラに演奏しているように、ずれて聞こえる。

人の配置が予定と変わってしまったせいか、周りの人の演奏が思うように聞こえず、
皆が合わせて演奏することができなくなってしまったのだ。
修正しようとするも手遅れ。 「もうダメだ~あはは~」笑うしかない…  ずれたまま、曲終了。
拍手も起こらない。 お客さんもあっけにとられていたんだろうな…


【17:00頃】

自分の出番はこれにて終了。
そそくさと衣装を脱いで着替え。 もう使わない箏を片付けていく。

最後の演目「加那よー天川」を楽屋のモニターで見る。
沖縄からいらした舞踊の先生とそのお嬢さん(最高賞受賞者)の演技。 さすがに素晴らしい。
沖縄ではほとんどプロで活躍している方々だ。 お金を取るレベルってこういうものなんだなぁ
全体的にバタバタの中、この演目は救いだわ…


【18:00頃】

全演目終了。
先生がたの着替えも終わり、箏を車に積んで帰路につく。



公演から2日経ちますが、「終わった」という感覚がまだ起こりません。
上に書かせていただいたように、当日は舞台裏でバタバタの連続で、
「演奏した」という達成感を持てないような状況でした。

私は企画・運営に携わっていないので、正確なところは知らないのですが、
傍から見ても、裏方と出演側の意思疎通がうまくいってない様子がわかりました。
だって本番中に「暗転」か「幕を下ろす」か決めているんだもの。。

本番当日までの裏方と出演側の折衝ってどうだったのかなぁ。
本番で混乱のもとは詰めの甘さにあると思うのです。 

演目スタート直前まで、人の配置などに気を遣わなくてはならないなど、
演者が演奏、演技に集中できない状況はどうかと思います。
出演側でない誰かが、バチっと仕切らないとダメですね。


いろいろ反省点ありあり。
自分の演奏についても反省しないといけないんだけど、
それよりも公演の運営が気になってしょうがない。。
諸々の不手際について、お越しいただいたお客様には申し訳なかったなぁと、思うのです。


同じカテゴリー(琉球箏の稽古・舞台)の記事
弦を張り替えた。
弦を張り替えた。(2006-05-21 23:35)

沖縄県人会にて
沖縄県人会にて(2006-03-27 10:14)

備忘録
備忘録(2006-03-01 22:04)

リハでした。
リハでした。 (2006-02-06 23:00)

年明けの芸能活動
年明けの芸能活動(2005-12-22 23:00)


この記事へのコメント
なんか公演の様子がリアルでつい引き込まれました。
舞台に上がって、客席を見る。
プラネタリウムのよう。

私も一度そう感じたことがありました。

それは野外での公演。千人くらいの人。
ほとんどが花火大会目当てのお客。
その中で、エイサーの地謡。
、と、いきなりカラクイにトラブル。
それを笑いでごまかした自分に拍手でした。
Posted by たるー at 2006年02月27日 23:52
本番てバタバタですよね。
バタバタ感が出てて バリ共感できる日記です(笑)
しっかりリハしても 駄目なときは駄目。
舞台には魔物がぁ。。。

ディレクターや演出家はいなかったんでしょうかね?
人数が多いなら客観視できるまとめ役をおかないと無理ですよ。
Posted by エノゆき at 2006年02月28日 12:03
>たるーさん。

コメントありがとうございます!
本番でトラブルにあっても、笑ってごまかせる余裕があるとは、
相当場数を踏んだキャリアをお持ちなのですね。
私がその域にたどり着けるのはいつなのかしら。。

舞台から客席見ると本当にきれいなんですよね~
この気持ちよさが堪らなくて、芸能を続けていくんだろうなぁ

>エノゆきさん。

ははは。共感できますか?(笑)
舞台監督はいたんですがねぇ… なんでかねぇ
Posted by きょう at 2006年03月01日 13:12
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。