2005年10月02日

三線と箏の関係 ~演奏~

箏の音は三線や笛に比べて弱く、
合奏の中では耳を澄まさないとなかなか聞こえてきません。
「みよ~ん」という音が、三線の音の切れ間に微かに聞こえるくらいです。

音量は、三線>笛>>>>箏、という配分になるでしょうか。
素人から見ると、合奏に箏がなくっても大丈夫なんじゃないか、という感じもします。
箏を演奏する人間が言うセリフではありませんが…(^^;)

でも、こういうささやかな、聞こえるか聞こえないかの音を大切にするのが、
琉球の人の美意識なんでしょうね。


三線と箏は基本的にユニゾンで演奏します。

三線が休符となる箇所で、箏が掻爪などの「おかず」を入れたり、
和箏でいうところの「サーラリン」を入れたりして演奏を賑わします。

ユニゾン部分では三線に掻き消される筝の音も、こういうところで存在感を出してきます。


琉球箏は、古典音楽においては一歩引いた立場にあります。

合奏をリードするのは三線です。三線に従って箏の音を合わせていきます。
三線1本、箏1面という構成で演奏する「独唱」という形式がありますが、これなんかは
三線の音に箏がついていくという構図がはっきりしていて、夫唱婦随というような感じ。



琉球箏は、楽器で主張したい人にとっては、ストレスのたまる楽器かもしれません。

古典では琉球箏はあくまでも伴奏楽器で、
和箏のように主役となって華やかに演奏するということはありません。
和箏をガンガン弾いている人にとっては、物足りなさを感じるかもしれませんね。
実際、私も感じなくもありません(おいおい)。


ではなぜ琉球箏を弾いてるかといえば、、、、、、うーん説明が難しい。
琉球音楽が好きで、古典において箏の音はなくてはならないフレーバーだと思うから、
その役割をきちっと果たす演奏がしたい、と思っています。

あと、今後琉球箏が主役となるような、新しい演奏ができればなぁとも考えています。
それには、まず基本である古典を理解しなくてはいけないので、
まだまだ先の話になりそうですが。


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