2005年10月19日

琉球箏の奏法 その2 ~左手について

前回の右手に続きまして、今回は左手の話。

その前に…、書くのをすっかり忘れていましたが、

琉球箏は山田流のように、箏に対し真っ直ぐ正面向いて座ります。
生田流のように斜めに向いて座りません。


私が初めて琉球箏を弾いているのを見て衝撃を受けたのが、
「左手で弦をたたく」という奏法でした。

和箏の曲、少なくとも山田流の古典にはない奏法です。(現代曲ではあるのかなぁ?)


この奏法は「揺絃(ユイヂィル)」といいます。
音を「みょ~ん」と響かせるための手法だと思われます。

揺絃は、いろんな曲にしょっちゅう登場します。これがない曲はないんじゃないかと思う。

琉球箏の奏法 その2 ~左手について
写真の工工四を見てください。
○で囲んだところ「、、、」という揺絃の記号がついています。

こんな小さい範囲でも6箇所もあります。
曲にもよりますが、こんな感じで頻繁に出てきます。


やり方ですが、左手の人差し指と中指で1つの弦を「ポン」と軽く跳ねるようにたたきます。

記号が「九、、、」ならば、九の弦を3回「ポン ポポン」とたたく。

最初を強くたたいて、2、3回目は、最初の弾力による跳ね返りを利用して、
若干弱めに「ポポン」とやります。リズムもまさに「ポン ポポン」という感じです。

揺絃には2回たたく場合もあります。記号は「、、」となります。
「、」もあるようですが、まだ習った曲の中では見たことがありません。


揺絃は実際やってみるととても難しい。未だにマスターできていると思えません。

習い始めの頃は、弦をたたく時うまい位置に指を落とすことができず、弦をはじいてしまって、
「びよーん」と変な音を出してしまうことがしばしばでした。

今は「ポン ポポン」のタイミングを意識して練習しています。
ベテランはたたくタイミングをやや遅くずらしていて、それが余裕を感じさせてかっこいいのです。


上の方で「、、、」は3回たたくと書きましたが、3回きれいにたたくのは慣れないと難しいので、
実際2回しかたたかない場合もあります。ベテランと初心者はこの差で見抜ける(?)



「突絃(ツィチヂィル)」という手法もあります。
揺絃が弦を弾いた後にたたくのと違い、弾くと同時に一度だけ「ポン」とたたく奏法です。


このように、琉球箏はたたくという瞬間的に音を変化させるところに特徴があります。
そのほかにもいろいろ奏法がありますが、今後つれづれと書いていきたいと思います。


弦をたたく様子については、こちらの動画をご覧ください↓
http://www.wonder-okinawa.jp/014/8gallery/index.html
一番上の「琉球古典音楽への誘い」の「1」の方、3分30秒あたりから見られます。


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