2005年10月27日

コンクール体験記 その1

私は琉球古典芸能コンクールの箏新人部門を受験し、なんとか合格させていただきました。
その時の体験を思い出しつつ書いてみようと思います。


コンクールの応募締め切りは6月中旬。
私が受験を決めたのは6月に入ってからなので、本当にぎりぎりでした。


その頃私は稽古にもあまり出ず練習不足だったため、受験は無理だろうと思っていました。
しかし、同時期に入門したお弟子さん2人が受験すると聞き、
私1人だけ遅れを取るのもいやだなと思って
「落ちてもともと」というつもりで受験申込みを送ることにしました。


本番は9月中旬、3ヶ月ある。
課題曲は稽古でやっている曲だし、これから集中して練習すればなんとかなるんじゃないか、
という甘い考えもありました。

練習しなければと思いつつ、まだ時間はあるとの思いが勝って
練習に身が入らないような日が続きました。


約1ヶ月後、川崎の沖縄芸能大会の箏だけのリハーサルが行われました。
ここでは毎年恒例で、コンクール受験者のために本番用の予行練習をさせるのです。

広い座敷に箏の先生が並んで、その前で受験者が1人ずつ課題曲を演奏します。
新人部門の受験者は4人。受験番号順に演奏するのですが私は最後。

他の人の演奏を聞いているうちに手が震えだしました。
いつも弾いているようにやればいいので緊張するわけないと思っていましたが、
気持ちとはうらはらに手だけ震えてくるのです。

他の3人は完璧でないにしろ完奏したのに、私は途中で思い切りつっかえてしまった。
歌もよれよれでした。
そこにいらした先生方は、私が合格するとは想像できなかったはずです。
ご心配をおかけしてしまいました。

この焦りが私にはいい薬になりました。
本番までの残りの日々、時間が許すだけ筝の前に向かいました。


その2に続く。


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